喪中の過ごし方まとめ!喪中と忌中の違いや喪中の期間、やっていいこと・いけないこと

当ページのリンクには広告が含まれています。

近親の方が亡くなって、「喪中」や「忌中」のマナーに戸惑った経験がある方も多いでしょう。また、喪中と忌中の違いについての理解も曖昧で、使い分けが正直よく分からない、という方も多いと思います。

喪中の時に常識がない人と思われないためにも、喪中のマナーについて知っておきましょう。また、喪中の方に失礼がないように、喪中にやってはいけないことを再確認しておきましょう。

ここでは、喪中にやってはいけないことをまとめて解説しています。

「喪中」と「忌中」の違いと期間は?

まずは、「喪中」と「忌中」の違いについて。

喪中は「喪に服す」、忌中は「忌に服す」からできた言葉です。これに期間を表す「~中」がついて、「喪中」と「忌中」という言葉ができています。

「喪中」の意味と期間

「喪中」とは、亡くなった方の親族などが喪に服す期間を表現する言葉です。

つまり、身内が亡くなったことを悲しみ、悼むためにある期間です。そのため、派手な行動を控えて慎みを持って生活していきます。

喪中の期間は、以前は法律によって決められていましたが、昭和22年に廃止されています。以前の法律での喪中期間は以下の通りでした。

父母、夫:13ヶ月
養父母、父方の祖父母、夫の父母:150日
妻、母方の祖父母、兄弟姉妹、伯父伯母:90日
養子:30日

夫が13ヶ月に対して、妻が90日となるなど、見てわかる通り男尊女卑が強い内容になっています。

まだ男女平等意識が低い時代の法律であったため、男性のほうが喪中期間が長く、父方と母方でも期間が異なっています。

現在でもこの法律の期間が目安とされる場合もありますが、一般的には、一周忌までの「1年間」を喪中とすることが多いようです。

「忌中」の意味と期間

「忌」という文字には「嫌って避ける」という意味があります。

また、神道の考え方では人が亡くなることは穢れ(けがれ)とされていました。その穢れがほかに移らないように家に閉じ込めるという考えから、慎みを持って行動する期間を「忌中」と呼びます。

一般的な仏教では「四十九日の法要」があり、これが「忌明け」となっています。つまり、忌中の期間は「四十九日間」と考えると良いでしょう。

また、浄土真宗などの一部の宗教では、人が亡くなることを穢れと捉えることがないため、忌中という言葉を使わず、忌中の習慣もないということもあります。

どこまでの親族だと「喪中」となるのか?

親戚が亡くなった場合でも、喪中とはならなかったという経験はありませんか?実は、あまり親しい付き合いがない場合、喪中にしないという習慣もあります。

例えば、離婚して片親になっている場合、もう一人の親と全く会わないというケースも珍しくありません。特に相手に新しい家族がいれば尚更です。そういう場合、葬儀などの連絡が来たとしても喪中にしないこともあります。

このように、普段からの付き合いの深さに合わせて、喪中にするかどうかを考えるケースは多いようです。

例えば、親、兄弟姉妹などは言うまでもなく、祖父母くらいまでは喪中にする人が多くいます。しかし、それ以上離れた親族になると、相手との関係で喪中にするかどうかを考える人が多いようです。

目安としては「一親等」、または「同居する二親等」を喪中にする近親者と考えることが一般的でしょう。

喪中にやってはいけないことは?

喪中は身を慎む期間です。喪中にやってはいけないことは「お祝い事」と覚えておけば、基本的には問題なく過ごせるはずです。

結婚式への出席は要検討

喪中に意外と困るのが「結婚式」です。友人や知人の結婚式に招待されることもありますし、自分たちが結婚式を挙げることになるというケースもあります。

しかし、結婚式は「お祝い事」になるため、喪中の時は一般的に「出席すべきでない」とされています。

しかしながら、相手の事情やせっかく誘っていただいた経緯もありますので、誘っていただいた相手や亡くなった方との関係性を考慮した上で判断するケースも多いようです。

自分たちの結婚式を挙げることも要検討

自分たちが挙げる結婚式も同様。一般的には、喪中の時は「結婚式を挙げるべきではない」とされています。

ただし、会場を手配してしまった、招待状を出してしまった、など、中止にすると大変困るケースもあります。

このような場合も、状況を踏まえて判断すると良いでしょう。「結婚式を取りやめることは、故人の方も望まないだろう」などと解釈して、予定通り挙げる場合もあるようです。

いずれにせよ、ご自身の家族と結婚相手の家族の両家でしっかりと話し合って決めることが大切。家柄によって解釈が異なる場合もあるので要注意です。

入籍は問題なし

一方、入籍については問題ないとされています。その理由は、入籍自体は書類上のことで、入籍自体が祝い事ではないからです。

喪中になったため、式の計画は延期するが、入籍は予定通り行うということも多いようです。

贈答は注意が必要

喪中の期間の目安は1年なので、喪中のときに必ず訪れるのが「お中元」や「お歳暮」の季節です。お中元やお歳暮などの贈答については、少し注意を払っておけば問題ないでしょう。

お中元やお歳暮などの贈答は祝い事ではありません。相手の心遣いに感謝して、心ばかりの贈答品を届ける慣習です。つまり、祝い事ではないので、喪中であるかどうかには無関係なのです。

ただし、普段のお中元やお歳暮とは少し形を変える工夫が必要です。例えば、紅白の水引や熨斗(のし)を使うことは避けます。その代わりに「白短冊」や「無地の熨斗紙」を用いることになります。

分かりにくい場合は、店頭で喪中をあることを伝えて対処してもらうと失敗がないと思います。

喪中のときの贈答については、特に時期を問われることはありません。まれに喪中や忌中を気にする人がいますので、その場合は「四十九日の法要のあと」に贈るようにします。四十九日の法要が終わっていれば、ほとんどの人が気にすることはないでしょう。

一方、故人宛に贈答品が届いた場合、贈ってきた相手は個人亡くなったことを知らない場合があります。

もしも故人宛の贈答品が届いた場合には、亡くなったことを伝える手紙を書くことなどがマナーとなっています。

年賀状の代わりに欠礼状。お正月の行事も控えよう

新年の行事は祝い事が多いと言えます。基本的に新年の行事は控えると覚えておけば、大丈夫でしょう。

新年の行事の中でよく知られているのが、喪中のときの年賀状の取り扱いです。喪中の場合は、年賀状の代わりに「年賀状欠礼状(喪中はがき)」を出します。

しかし、故人と面識がない取引先などには年賀状を出すというケースもあります。

近年は年賀状を出さない人も増えていますが、仕事上の年賀状を出さなければならないときは、相手が故人と面識があるかどうかを基準に判断しましょう。

そのほか、次のようなことに注意しておきましょう。

  • 年初の挨拶をしない
  • 正月飾りはしない
  • 初詣をしない
  • おせちやお屠蘇でお祝いをしない

このようなことを避けるようにします。

お年玉については、渡しても問題ないと考える人が多いようです。もしもお年玉を渡しづらいのであれば、別の名目で渡すことも良いでしょう。子どもが楽しみにしていますので、お年玉はなしというのは避けたいですよね。

また、近年は多様な考え方があり、喪中でも食べる必要はあるので、おせちはOKと考える人もいます。

そのため、こだわらずに臨機応変に対応しても良いと思われます。家族で相談して、上手に過ごすことも大切です。

神社の参拝はNG。お寺はOK

神道では穢れの期間なので、喪中のときは神社への参拝を控えます。また、参拝だけでなく、神社のお祭りなどにも参加しないようにします。

もちろん、初詣も控えます。つまり、喪中のときは、神社はNGと覚えておけば良いでしょう。

一方で、お寺は問題ありません。お寺で葬儀をすることもありますし、喪中であっても普段通りにお寺に行っても嫌がられることはありません。

むしろ住職のお話を聞きに行くなど、積極的にお寺に行く人もいます。住職の話はとてもためになるだけでなく、故人の話が聞けたり、喪中のときの心の置き方が聞けたりするので良いですよ。

クリスマスはもちろん問題なし

その他、喪中の過ごし方で悩む人が多いケースについて解説します。

例えば、クリスマス。これはお祝いのイベントである印象が強いですが、基本的には無関係です。

元々がキリスト教の宗教行事なので、喪中でも気にする必要はありません。

旅行は四十九日までは避けるべきかも

旅行本来、は忌中の期間は控えるべきであるとされています。しかし、四十九日の法要が終わったあとは、喪中でも気にしなくて良いという見解が一般的なようです。

また、夏休みなど、子どもを連れて出かけることが増える時期もあります。四十九日の法要までは我慢していても、喪中の1年間も我慢させるのは忍びないですよね。

そのため、忌中後の旅行は問題ないと考える人は多くなっています。

子どもの「七五三」は意見が分かれる

最後に、子どものお祝いに関しては意見が分かれています。特に問題になるのが「七五三」です。

七五三は神社に参拝するため、お祝いを控えるという意見もあります。しかし、神道の忌中は「50日」とされているため、この期間を過ぎていれば参拝しても問題ないという考え方もあります。

このことから、忌中の期間が終わっていれば七五三をお祝いするという人もいるようです。

そもそもあまり気にしない人も多いようですが、悩むようであれば神社へ申し込む際に相談してみましょう。

喪中の相手にしてはいけないことは?

喪中の相手にしてはいけないことは、ここまでにお話しした、喪中の時にしてはいけないことを参考にするとよいでしょう。多くは喪中の相手に対する配慮となります。

結婚式の招待は相手に相談する

自身の結婚式に招待した時、相手が喪中であれば、結婚式への出席をすべきか考えるでしょう。「喪中なのに参加して迷惑でないか」と思う人もいるかもしれません。

そのため、相手が喪中だとわかっている場合、どうしても出席してもらいたいならば、喪中でも構わないことを伝えて招待しましょう。また、関係者にはそのことを伝えて、招待することを相談しておきましょう。

相手への贈答は配慮する

喪中の相手への贈り物は、自身が喪中の時と同じように「白短冊」や「無地の熨斗紙」を用いて行います。こちらも店頭で喪中の相手に贈ることを伝えれば、十分な対応をしてくれます。

また、四十九日の法要が終わっていない相手にお中元やお歳暮を贈る場合は、少し時期を遅らせることが望ましいとされています。

四十九日の法要までは様々なことがあり、相手も忙しい日々を送っています。その時期と重ならないような配慮をすることも重要です。さらに、四十九日以内の場合には「香典」という解釈をすることも多くなり、相手に余計な負担をかけることにもなります。

最後に「贈答品は故人に贈らない」ということが原則なので、喪中のときには宛先にも注意しておきましょう。

年賀状は送らないことが一般的

近年は喪中の相手に年賀状を送らないことが一般的です。

相手から欠礼状(喪中はがき)が来ていなかったとしても、相手が喪中であるとわかっている場合は、送らない方が無難でしょう。

亡くなった時期や欠礼状の準備の時期などによって、相手が遅れている、送付できていないだけかもしれません。

おわりに

一般に、喪中の時は身を慎んで生活するものとされており、これまでにお話ししたような、様々な制約を行うべきとされています。

しかしこれらはあくまで風習であり、宗教的な側面が強いものでもあります。近年では、一般的な喪中の時の過ごし方を意識しつつも、あまり古い習慣にとらわれない方も多いようです。

何かの行事をやってもいいか迷った時などは、慣習ばかりにとらわれず、家族や親戚、関係する人に相談して決めると良いでしょう。