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毎年ゴールデンウィークの頃になると、ニュースなどで「メーデー」の話を目にします。
「メーデー」という言葉。聞いたことはあっても、どういう日で何が行われているのかを知らない人は多いのではないでしょうか?
そこで今回は「メーデー」の意味や由来、何が行われる日なのかなどを詳しくご説明します。
「メーデー」とはどんな日?
メーデーの意味と日付
「メーデー」とは、「労働者の日」や「労働者の祭典」などの意味。もう少し詳しく言うと、「労働者の権利を訴えるための日」となります。
つまり、労働者が集まって、自分たちの労働条件や労働環境の改善などについて訴える日ということを意味します。
英語表記は「May Day」。直訳すれば「5月の日」となりますが、カレンダーにおいては、「5月1日」がメーデーとされています。
海外では「労働=labor」という意味の英単語を使って「Labor Day=レイバーデイ」という呼ばれ方もします。
もともとは海外発祥の記念日ですが、日本でも労働者の日として一般的。特に労働組合ではこのメーデーに合わせて、イベントや集会などを行うことも多いです。
また、地域貢献の一環として、労働組合などの団体が主催してチャリティー活動を行うこともあります。災害復興をテーマとした集会や義援金募集など、地域の方も参加した集会が行われています。
メーデーの由来
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メーデーが今のような労働者の権利を訴える日になったのには由来があります。
もともとメーデーは労働者とは関係がなく、夏になったことをお祝いするためのお祭りが行われる日を意味していました。
特にヨーロッパの各地では5月になると、夏になったことを祝う「五月祭」が行われていました。19世紀の後半までは、この五月祭がメーデーでした。
しかし、1886年5月1日、アメリカで行われた有名なストライキをきっかけに、この日は労働者の日という位置付けに変わっていきます。
アメリカのシカゴを中心に発生したこのストライキは、当時当たり前であった12~14時間の労働時間を短縮し、8時間制を求めるものでした。
スローガンは「第1の8時間は労働のために、第2の8時間は休息のために、そして最後の8時間は私たちの好きなことのために」というもの。
5月1日に始まったこのストライキですが、2日後の5月3日には、運動の参加者が警察官に射殺されるという事件が起こります。これがきっかけで抗議の輪はさらなる広がりを見せることになりました。
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翌日の5月4日には警察官側との衝突に発展。双方に死亡者が出る事態となりました。この事件は「ヘイマーケット事件」として知られており、これを契機にして労働者の日としての「メーデー」が国際的に広まることになりました。
一方、労働者の日を5月1日ではない、独自の日に定めている国もあります。
代表的なのはアメリカで、労働者の日としてのメーデーの発祥となった国ですが、事件を思い起こすことを避けるために、レイバーデイは「9月の第一月曜日」とされています。
メーデーが祝日の国も多い
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メーデーは国連を始めとした国際的な機関が中心となって決めた「国際デー」の一つであり、この日を祝日と定めている国は数多くあります。
その数、全世界で80カ国以上。ヨーロッパの国々もそうですが、祝日が珍しいとされるアフリカでも多くの国が祝日にしています。
一方、メーデーが祝日でない国としては、日本を始めとして、イギリス、スイス、デンマーク、オランダ、インドなど。また、アメリカやカナダでは「9月の第一月曜日」をレイバーデイとし祝日としています。
おわりに
「メーデー」とは、労働者の日。5月1日には、日本でもメーデーにちなんだイベントや活動が色々と行われていますが、メーデーの意味をわかっておくと、なぜその日に、どういう主旨で行われているのかがわかるようになります。
また、メーデーの日に海外旅行に行くのであれば、イベントなどで普段と違う雰囲気を味わえるかもしれませんが、一方で、国によっては、この日は休みとなるお店も多いので、注意が必要です。