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イギリスで発祥した少数保育の専門家、チャイルドマインダー。
日本ではあまり知られていない職業ですが、さまざまな問題を抱える現代の保育事情の中で、その役割が注目され始めています。
今回はそんなチャイルドマインダーについてご紹介。
チャイルドマインダーとはどんな職業?
チャイルドマインダーとは少人数の家庭的保育の専門家のこと。
仕事内容としては保育士や幼稚園教諭とあまり大きな違いはありませんが、少人数制で子ども一人ひとりに密着した家庭的保育が特色です。
一応、日本では認定資格がありますが、保育業界の関係者でもなければあまり知られていないのが実情。
国家資格ではないのでできることは限られますが、認定機関の実施する認定資格があり、そのカリキュラムを修了し資格を取得した方は、少数保育のプロとして色々なかたちで保育に関わっています。
保育施設や託児所で活躍
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チャイルドマインダーをご存知の方の多くは、個人でキッズルームなどを開業するイメージが強いようですが、実はそればかりではありません。
保育施設・託児所で働く人や、例えばショッピングセンターや病院の託児所に勤務する人もたくさんいます。
《主な就職先》
- 公立保育園、私立保育園、児童福祉施設
- 民間の託児所、民間の保育施設、ベビーホテル等
- 病院内の託児所
- ショッピングセンターやテーマパークの託児所
- 住宅説明会やモデルルームに来場されたお客様のお子様を預かるキッズスペース
- 幼児教室や音楽教室
- スポーツクラブに併設された預かり所
上記の通り、かなり幅広いです。
また、最近では、派遣会社に登録し仕事を紹介してもらったり、働きたいときだけ、スポットで勤務するといった働き方もあるようです。
公立・私立保育園への就職(認可保育施設)
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公立保育園や国の認可を受けた私立保育園については、園内で雇用される保育士の人数割合が行政によって細かく定められています。
ただ、一方で保育士資格の有無を問わない保育員も存在します。定員に空き枠さえあれば資格がなくても就職は可能となり、実際に保育士の資格を持たない保育員も実は多くいます。
チャイルドマインダーの認定資格を取得した方の中には、そのような保育員として活躍している人もいます。最近では、特別にチャイルドマインダーという役職を作っている保育園もあるようです。
保育園の求人情報はどれも必ずと言っていいほど、必要条件に「保育士資格」とありますが、運用上必要定員を満たしていれば、保育士資格は必須ではないんです。
もしチャイルドマインダーで就職活動をしている方がいれば、求人欄の「保育士募集」にとらわれず、その施設の園長や採用窓口に相談してみるとよいかもしれません。
自宅での開業や訪問型保育
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在宅型や訪問型の保育形態で開業するという働き方。
自宅に保育ルームを作りそこで子供たちを預かる方法や、自宅に訪問して保育を行う訪問型保育の手法などのことで、形式上は個人事業主となります。
国の法改正によって以前よりも個人や少人数で開業するハードルが低くなりました。これにより多くのチャイルドマインダーが誕生し、少人数制でより子どもたち一人ひとりと向き合える保育が可能となりました。
今では開業を目的として、チャイルドマインダー資格の取得を目指す人が増えているようです。
もちろん、開業にはそれなりの準備が必要ですが、資格講座の運営団体や自治体からわりとしっかりとしたサポートを受けることができ、安心して取り組める環境が整っています。
ただし、気をつけたいのが誰でも気軽にできるというわけではないということ。
子どもを預かるという、大変大きな責任を伴うサービスの性質上、自治体の指導監督の対象となり、必要に応じて届出が必要になります。
届出が必要かどうかについては、各自治体によって要件が設けられています。 一日に保育する子どもの人数だったり、サービスの形態などが用件となっているようです。
また、自治体には子どもを預かるのに適切な事業者であるかどうかの監督基準があり、保育を行う場所、責任者の確認はもちろん、設備面での安全や、消防法、食品衛生法などを遵守している業者かどうかを自治体は監督し、適正な運営を促しています。
興味のある方は、県や市の児童課や健康福祉課などに問い合わせてみるといいかもしれません。
チャイルドマインダーの資格は他の資格とちょっと違う
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チャイルドマインダーの資格は、他の資格とは少し違ったポイントがあります。
それは、「統一の資格発行団体がない」こと。
普通は資格というと、国やどこかの協会が実施していて、それに受かるための講座や教材などを民間企業が実施・販売するのが一般的ですが、チャイルドマインダーの場合は、資格認定団体が講座を行い、資格試験を実施し、資格発行を行っています。
そのため、「どの講座を選ぶか」=「どの資格認定団体を選ぶか」ということになります。
ただし、団体による試験の難易度にはほとんど差がなく、出題内容も講座のテキスト、講義内容に沿ったものです。
「どの講座が受かりやすい」といった観点はほぼ存在しません。
なのでもしこれからチャイルドマインダーを目指したい、という人は自分に合った講座を選ぶのが一番です。
例えば、チャイルドマインダーの資格講座の中でも最も規模が大きいヒューマンアカデミーでは、下記のような特徴があります。
ヒューマンアカデミー チャイルドマインダー養成講座
- 日本初のBTEC認定校 ※BTEC…英国国家職業資格の3大資格のひとつ
- 全国の主要都市で通学受講が可能
- 授業欠席時の振替受講フレキシブル
- 休学・転校制度あり
- 救急救護の分野に強く、「小児救急救護法国際認定カード」を同時取得可能
- 保育ビジネスなどについても学べる
- 大手でアクセス良好。子育てのスキルアップを目指すママも歓迎
- グループ会社・ヒューマンリソシア株式会社の人材サービスを受けれる
- ジョブカウンセラーによる履歴書、面接対策などがあり
- 資格の背景組織である日本チャイルドマインディング&エデュケア協会(ACE)による開業支援、申請等のフォロー
- チャイルドケアワーカー総合保険の利用が可能
- フォローアップセミナーの受講が可能
上記の通り、資格講座の受講や資格取得後において、手厚いフォローがあります。
おわりに
日本ではあまり知られていないチャイルドマインダーですが、保育士や幼稚園教諭に比べて短期間で気軽に資格が取得しやすく、わりとまじめに社会的要請の大きい職業です。
最近では、国や自治体もその可能性に注目し、法改正や助成金制度創設など、様々な取り組みを行っています。
子どもが大好きで、保育の仕事に興味がある人にはおすすめの資格です。