5フォース分析とは?|E.M.ポーターの競争戦略論

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photo credit :free

アメリカの経済学者、E.M.ポーターの競争戦略論について解説。

今回は代表的な研究である「5フォース分析」を取り上げたいと思います。

E.M.ポーターの「5フォース分析」とは?

まず、「5フォース分析」を簡単に説明すると次の通り。

5フォース分析

業界内の競争状態を、それを決定する5つの要因から分析すること。

少し噛み砕いて言うと、

企業の競争は、どんなことから生まれるのか?

ということです。

その「どんなこと」を5つにまとめたのが「5フォースモデル」。それを分析していくフレームワークが「5フォース分析」となります。

ではその「5つ」とは何なのか?まずは下の図をご覧ください。

5フォースモデル図

図の「自社」というのがあなたの会社だと思ってみてください。

真ん中の青い枠は、今あなたの会社が力を入れている事業(市場)。赤で示したのが、その「5つの脅威(ファイブフォース)」です。

一目見ただけでも、あなたの会社は今、様々な脅威にさらされながら事業を営んでいることがわかります。まるで挟み撃ちにあっているような構図。

E.M.ポーターはこの5つの脅威こそが企業の競争を競争状態を作るものであるとしています。

それでは、以下でそれぞれを詳しく見ていきます。

5つの脅威(ファイブフォース)とは?

①既存同業者との敵対

当たり前なのですが、事業を営む上ではほとんどの場合、競合他社の存在があります。

この同業者との敵対(競合)関係が1つ目の脅威(フォース)。

よほどのニッチな市場でない限りこの同業者との敵対関係は存在し、企業は常にその緊張の中で事業を営んでいるのです。

②新規参入企業の脅威

これは読んで字のごとく、新規参入してくる企業の脅威のこと。

例えば一昔前ですが、旅行業界には楽天やリクルートといった企業が新規参入し、既存の旅行代理店などにとって大きな脅威となりました。

他業種、類似業種から新規参入し現状の自社の市場シェアを奪おうとする存在、これが2つ目の脅威(フォース)となります。

③代替品の脅威

これも読んで字のごとくですが、自社が展開している商品やサービスに変わる新たなものが現れた場合に脅威となるということです。

例えば食品業界では一昔前から、小売業者のプライベートブランドといった代替品が席巻し、食品メーカーにとっては脅威となりました。

仮に現時点で市場を席巻している企業であっても、常にこの代替品の脅威にさらされていると言ってよく、継続的な製品改良やイノベーションが必要とされているのです。

④売り手の交渉力

売り手とは、商品を作る際に使用する部品や原材料の供給業者などのこと。

もしもある業者が作る部品が特許を持っていたり、ある業者が提供する原材料がなかなか手に入らないものだったりすると、売り手側(業者側)は交渉力を持つことができます。

売り手が交渉力を持つと、仕入れの値段が釣り上げられたり、思うような値段での仕入れが叶わなかったりと、コスト高となってしまう傾向があります。

事業を行う場合、このような売る側の交渉力もひとつの脅威となります。

⑤買い手の交渉力

買い手とは、あなたの会社の製品やサービスを販売してくれる人(顧客)のことです。

あなたの会社が卸売業者やメーカーであるとイメージするとわかりやすいかもしれません。

得意先が大規模な流通チェーンを持っていたりすると、販売力に自信があるために、卸値などについて強い交渉力を持ってきます。

そうなると意図していた価格よりも安く売らなければ買い手は納得せず、結果として値下げ・利益減を招いてしまいます。

このように、買う側の交渉力も事業を営む上での脅威となるのです。

結局何のための分析なのか

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photo by David Kracht

以上がE.M.ポーターの「5フォース分析」における「5つの脅威(ファイブフォース)」でした。

これらを分析し明らかにすることで得られるメリットは、自社のおかれている競争環境捉えることができるということです。

それによって、

  • 今ある脅威から収益の減少を防ぐ
  • 新たな脅威に対する対策を検討する

などの措置を講じることができます。これらが「5フォース分析」を行う目的。

また、実務においては事業計画書やマーケティング戦略を考える際に有用なフレームワークとして使えます。

例えば、提案資料や経営陣への社内プレゼン資料などで展開すれば、より説得力を持って提案を進めることができると思います。

おわりに

前述のとおり、経営やマーケティングに関する提案に際しては、この5フォース分析はSWOT分析などと並んでよく使われるフレームワークです。

パワーポイントで資料を作る際には、このフレームワークを取り入れて提案を進める人も多いと思います。

ただ、分析はあくまでも分析なので、結果をどう生かして議論を展開していくかが大切。

社内の利害関係が強かったり、既存の考えに固執していたりすると、脅威や課題を知っていながらも、なかなかそこに着手できていないものです。

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