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「スプリングコートとトレンチコートの違いは何?」
さて、この質問にはっきりと答えられるでしょうか?
「スプリングコート」と「トレンチコート」。普段は何気なく使われる言葉ですが、実はあやふやにしか理解できていないという人は多いかもしれません。
実際のところは、「スプリングコート」と「トレンチコート」で同じ形状のアイテムをイメージする方も多いと思います。
確かにそうなのですが、それぞれの名称の定義はやや異なっています。
今回はそんな「スプリングコートとトレンチコートの違い」についてのお話です。
スプリングコートの定義とは
あえて定義するなら「春に着用するコート」
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スプリングコートをあえて言葉で定義するなら、「春に着用するコート」「春用のコート」となります。
特に「スプリングコートはこの形」というような決まりはなく、春らしいカラー、春らしい生地感のコートを総称して「スプリングコート」と呼ぶのです。
色は春らしく明るいカラーが中心。ライトベージュやパステルカラーなどでデザインされたものが多いです。
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また、生地は暖かくなる春の気候に合わせた、軽めのものが一般的。
冬用のコートに比べると薄手の生地が多く、素材も綿やポリエステルなどの軽いもので作られています。
ちなみに「スプリングコート」は和製英語。英語で同じ意味のコートを表すなら「TOP COAT(トップコート)」となります。
以上のように、「スプリングコート」は何か特定のコートの型やデザインを示す言葉ではなく、春らしいカラーの、春の気候に合わせたやや薄手のコートの総称を示しているのです。
トレンチコートの定義とは
もとはイギリス発祥の軍隊用コート
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「トレンチコート」とは、もともと軍隊のために作られたコート(外套)で、防寒を目的としたもの。
現代のファッションでは、秋冬向けのコートで特定の形状をしたものが「トレンチコート」と呼ばれています。
その形状とは一般には、ダブルボタン、肩、手首にボタンで止められたストラップ、腰部分にあるベルトなど。
これらの特徴はいずれも軍用として作られた際の名残で、現在ではファッション的な飾りとなっている要素も多いです。
「トレンチコート」の起源は第一次世界大戦時のイギリス軍で、「トレンチ」とは「塹壕」のこと。
第一次世界大戦時のヨーロッパでは、地面に穴の通路(塹壕)を掘って戦う、「塹壕戦」と呼ばれる戦闘が行われましたが、冬のヨーロッパの寒冷な気候における過酷な戦いに対応するため、このような機能性を重視した軍用コートが生まれました。
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現代では軍用コートの頃の特徴を残しつつ、冬の防寒用のコートとして定番アイテムになっています。
つまり、「トレンチコート」とは以上のような特徴的な形状を持った、秋冬向けの防寒用コートを示しています。
ただし、形状についての定義は非常に曖昧化しており、単純に裾が長いコートをトレンチコートと呼ぶことも多いようです。
おわりに
似ているようで、実は定義が異なる「スプリングコート」と「トレンチコート」。
その違いを理解いただけたでしょうか?
普段は何気なく着ているファッションアイテムも、その名称の意味がわかるとコーディネートが少し楽しくなります。